2006年11月20日

租税公課

■租税公課の取扱いの概要


租税公課は、法律に基づいて賦課徴収されるものです。


事業遂行のために必要な費用ですから
法人税法でも、租税公課は原則として損金となりますが、

政策目的などから損金算入を認めない租税公課があります。


次の租税公課は損金に出来ません。


1.法人税(利子税は損金算入されます。)
2.国税の延滞税、過少申告加算税、無申告加算税、
不納付加算税、重加算税、印紙税法の過怠税
3.道府県民税及び市町村民税(都民税を含む。)
4.地方税の延滞金(納期限延長のものは除く。)、
過少申告加算金、不申告加算金、重加算金
5.罰金、科料、過料
6.独占禁止法、証券取引法などの課徴金、延滞金
7.第二次納税義務にかかる国税、地方税
8.法人税額から控除する所得税額
9.控除対象外国法人税の額 など


●損金算入できない税金の還付金は、益金となりません。


都道府県や市区町村から工場誘致等により受ける補助金等が、
実質的に都道府県民税・市区町村民税の減免に代わるものである場合も同様です。


●法人が配当、給料等の源泉所得税を納付せず所得税を徴収された場合や
源泉徴収をせずに所得税を納付した場合に、
その所得税を損金経理したときは、損金計上した所得税は
配当、給料等を追加払いしたものと扱われます。


例えば役員賞与について強制徴収された源泉所得税を損金経理した場合は、
その所得税は、役員賞与の追加支給をしたことになり損金不算入です。
但し、仮払金経理して役員に求償する場合は、その経理が認められます。


●役員・使用人の交通違反の罰金等を法人が負担した場合、
業務遂行上の罰金等であれば損金不算入となります。
それ以外は役員・使用人に対する給与(賞与)となります。
使用人分であれば使用人給与となり損金となります。


●外国や外国の地方公共団体が課する罰金等は、
わが国の罰金・科料に相当するものだけが損金不算入となります。
「過料」「加算税」「課徴金」などは損金算入できます。


■損金算入される租税公課


損金に出来る租税公課の主なものとしては、次のものがあります。


1.退職年金等積立金に対する法人税、道府県民税、市町村民税
2.修正申告等により支払う還付加算金に相当する法人税
3.確定申告期限の延長や、確定申告期限の延長の特例の場合の利子税、
地方税の納期限延長の場合の延滞金
4.事業税
5.固定資産税、都市計画税、自動車税
6.酒税などの個別消費税
7.外国法人税の加算税
8.労働保険や社会保険等の追徴金、延滞金


■損金算入時期


●申告納税方式


事業税、酒税、事業所税で納税申告書に記載された税額は、
申告書の提出日の属する事業年度。
更正・決定による税額は、更正・決定日の属する事業年度。


●賦課課税方式


固定資産税、不動産取得税、自動車税、都市計画税は賦課決定日の属する事業年度。
納期開始日の属する事業年度または実際納付日に
損金経理すれば経理をした事業年度。


●特別徴収方式


ゴルフ場利用税、軽油引取税の納入申告書による税額は、申告日の属する事業年度。
更正・決定による不足税額は更正・決定のあった日の属する事業年度。
ただし、収入金額に申告期限未到来の金額が含まれている場合は、
未払計上すればその事業年度でもよい。


●その他


利子税、延滞金(納期限延長分)の納付分は、
原則として納付日の属する事業年度。
例外として、未納分を発生事業年度に損金経理により
未払計上すれば未払計上事業年度。


●当期の中間申告分事業税は、未納でも損金算入できる。


●固定資産税は、賦課決定日の属する事業年度に損金算入。


ただし、納期開始日(分割納付が認められる場合は、それぞれの納期開始日)
の属する事業年度または、実際の納付日の属する事業年度で
損金経理した場合も認められます。


●次の租税公課は、固定資産の取得に関連して支払うものであっても
取得価額に算入しないで、その事業年度に損金算入することもできます。
不動産取得税、自動車税、土地の取得に課される特別土地保有税、登録免許税


●収入金額や棚卸資産に含まれる酒税や、
製造原価・工事原価に算入している事業所税、地価税は、
申告期限が未到来でも、未払経理をして損金算入できます。


●消費税の経理方式が税込経理方式の場合は、
消費税等は申告期限未到来分の消費税等を未払計上できます。
棚卸資産の評価額に未納税額を含めた場合も同様です。


●法人が違法駐車のため徴収金(運転者・所有者等の負担となる車両の移動、
保管、公示その他に要した費用。)を負担した場合、
徴収金の負担に相当の理由があるときは、損金算入できます。
(交通違反に伴って納付する徴収金は、罰課金等ではないため。)


■手続きなど


●租税公課は、領収書の保存があれば納付事実の確認は問題ありませんが、
損金算入時期について根拠となった納税通知書・領収書等を整理しておきます。


●法人税額から所得税を控除するには、その税額を算出した計算書が必要です。


●収入印紙を多く使う業種では、
収入印紙の管理簿を作っておくとよいでしょう。


●納付する法人税等は損金不算入ですから、
逆に過納となって還付された場合は益金不算入です。
還付金を雑収入等で処理しているときは申告書で所得から減らします。


●還付加算金は益金になりますから、
雑収入等に計上されているときは、申告調整は不要です。


●土地建物を購入した場合に、未経過の固定資産税は
買主側の分担金として支払いますが、これは、固定資産税相当分を
土地建物の購入対価として支払うものですから
取得価額に算入し、建物分は仕入税額控除ができます。

中古車を購入する場合の自動車税の未経過分も同じです。
ただし、名義変更しなかった等により、
売主に固定資産税等相当額を支払うときは購入対価にはなりません。
 


posted by 石井敬税理士事務所(横浜、横浜市、神奈川県、神奈川、税理士、税理士事務所、会計事務所、関内、馬車道、みなとみらい、桜木町) at 01:08| 雨| 税金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする