2006年11月20日

タックスヘイブン税制


■タックスヘイブン税制とは?
 
日本企業の海外子会社のうち、
税負担の著しく低い国に利益を留保すれば、
日本での法人税課税を免れることができます。


このような海外子会社を利用しての租税回避に対処するため、

海外子会社の留保した所得を、
持分に応じて親会社の所得とみなして課税する制度です。
 
 
勿論、海外子会社が実体のある事業を行っているなど
一定の条件を満たす場合は、合算課税の対象とはなりません。
 
 
■     海外子会社から配当が行われた場合
 
合算して課税された海外子会社の留保所得から、
親会社に配当された場合は、
その配当所得に課税すると今度は二重課税となってしまいます。
 
そこで、過去10年以内に合算されたものは、
過去に課税済の配当等の額を限度として
損金算入が認められることとなっています。


ちなみに課税済配当等の額とは、

 
●     当期の税引後所得を上回る配当をした場合の超過額のうち、
内国法人の直接及び間接の持分に対応する金額
 

 
●みなし配当額のうち、内国法人の直接及び間接の持分に対応する金額
 
のことをいいます。
 
■特定外国子会社等とは?
 
内国法人と国内居住者とで発行済株式等の50%超を
 
直接又は間接に保有する外国法人(外国関係会社といいます)で
 
本店所在国などの税負担割合が25%以下となるものをいいます。
 
 
この条件に当てはまった場合は、
 
その外国関係会社の留保所得×持分割合 を
 
その株主である内国法人等の所得とみなします。
 
ただし、発行済株式等のうち直接・間接に占める割合が5%未満である
内国法人等は合算課税の対象外とされます。
 
 
■適用除外
 
特定外国子会社等が実体ある事業を行っており、
本店所在地国で事業を行う経済的合理性があると認められる場合は、
この規定は適用されません。
 
具体的には以下の全ての要件を満たしていれば適用除外となります。
 
1.事業基準 
 
以下の事業を主たる事業としないこと。
 
株式・債券の保有
工業所有権・著作権等の提供
船舶・航空機の貸付
 
2.実体基準
 
本店所在地国において、その主たる事業を行うに必要と認められる
事務所、店舗、工場その他の固定施設を有すること。
 
3.管理支配基準
 
その事業の管理、支配及び運営を自ら行っているものであること。
 
4.非関連者基準又は所在地国基準
 
以下のいずれかに該当すること
 
●非関連者基準
 
その行う主たる事業が、
卸売業、銀行業、信託業、証券業、保険業、水運業または航空運送業である場合は、
主たる取引(例:卸売業の場合は売上または仕入取引)の50%超が非関連者との間で行われていること。
 
●所在地国基準
 
その行う主たる事業が、
上記のものである場合には、
その事業が主として本店所在地国において行われていること。
 


■所得控除制度


 特定外国子会社等で所在地国基準又は非関連者基準を満たないものが

他の3つの基準を満たす場合における適用対象留保金額は、
 
特定外国子会社等の未処分所得の金額から
一定の人件費×100分の10相当額を引いた金額とされます。


このような調整が行われるのは、

 
製造業を営む企業等の卸売小会社の場合、
経済実体があっても関連者との取引が大半を占めるため
適用除外とはなりません。
 
しかし、これらの関連者取引の多い会社をすべて適用除外とすると
経済実体のある企業も除外されることもあります。
 
そのため、
その留保所得から不可欠な人件費に見合った部分を
課税対象から除外することになっています。
 
その他
 
■     事業の判定・主たる事業の判定
 
特定外国子会社等の営む事業は
原則として日本標準産業分類(総務省)の分類を基準として判定します。
 
外国関係会社が2以上の事業を営んでいるときは、
いずれが主たる事業であるかは、
それぞれの事業の収入金額や所得金額の状況、
使用人の数、固定施設の状況等を総合的に勘案して判定します。
 
■特定外国子会社等が2以上ある場合の損益の取扱い
 
課税対象留保金額は特定外国子会社等ごとに計算することになっています。
 
特定外国子会社等が2以上ある場合で
欠損金額が生じた会社があっても
他の特定外国子会社等の所得金額との通算はできません。
 
■課税対象留保金額の円換算
 
課税対象留保金額相当額を益金算入する場合の円換算は、
特定外国子会社等の事業年度終了日の翌日から2月を経過する日の
電信売買相場の仲値によります。
継続適用を条件として、
内国法人のその日を含む事業年度終了日の
電信売買相場の仲値によることもできます。
 
■自ら事業の管理、支配等を行っていることの意義
 
特定外国子会社等が本店所在地において、
事業の管理、支配及び運営を自ら行っているかどうかは、
 
株主総会及び取締役会等の開催、
役員としての職務執行、
会計帳簿の作成及び保管等が行われている場所
その他の状況を勘案の上判定します。
 
特定外国子会社等の株主総会の開催が
本店所在地国等以外の場所で行われていたり
 
現地における事業計画の策定等において
当該内国法人と協議し、意見を求めていること等の事実があっても
 
それだけで、特定外国子会社等が
事業の管理、支配及び運営を
「自ら行っていないことにはならない」こととされています。
posted by 石井敬税理士事務所(横浜、横浜市、神奈川県、神奈川、税理士、税理士事務所、会計事務所、関内、馬車道、みなとみらい、桜木町) at 01:13| 神奈川 雨| 税金 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする